鋼鉄の神、鍛冶師カン・ムジン

第14章 — 防壁なき夜

口笛が二度目に鳴る前に、カン・ムジンは走った。

堡塁の中の鉄が一斉に震えた。天幕の中の剣三振りが浮き上がり、炉の傍らに立てかけておいたやっとこが地面に倒れると、眠りから覚めた者たちが身を起こす気配が続いた。

「火を大きくしないでください」

カン・ムジンが低く言うと、近くの天幕から顔を出したローゼンが即座に言葉を受けた。

「松明はそのままにしろ! 子どもと傷つきやすい者は炉の後ろへ移し、武器を持つ者だけ礎石の前に集まれ!」

カン・ムジンは歩みを緩めなかった。

北西の七人は口笛を聞くやいなや散り始めた。三人が低い斜面に沿って西へ広がる間、二人は後ろへ退いたが、曲刀を帯びた一人は動かず、最も後方の網も止まった。

逃げる動きではなかった。

気づかれた後の配置をすでに身につけた者たちだった。

カン・ムジンは腰の剣を抜いた。昼間、農具を直すのに手入れを後回しにした刀なので刃先には小さな欠けができており、重心も柄の方へ偏りすぎていた。

良い剣ではなかった。

今は斬るよりも防ぐのに使えばよかった。

北の斜面の向こうで金属が激しくぶつかった。

ラカンの剣だった。

短い槍先が二つ左右から襲いかかると、ラカンは後ろへ退く代わりに正面から踏み込んだ。最初の槍の柄を左腕で払いのけ、肩で敵の胸を突き上げた瞬間、狼の獣人の低い唸り声が闇を裂いた。

二本目の槍がラカンの脇腹を狙った。

カン・ムジンは手を伸ばした。

槍先の鉄が指先で鮮明になった。純度が低い上にきちんと冷やしていないので刃と茎の硬度が均一でなく、刃を無理にねじれば折れるはずだった。

彼は折らなかった。

槍先が貫いて通り過ぎる方向だけを変えた。

魔族の手の中で柄がぐるりと回り、穂先がラカンの脇腹をかすめ、そのまま土に突き刺さった。

ラカンの剣が下から上へ跳ね上がった。魔族の革鎧の隙間を打ち抜いた刃が肩を深く斬り裂き、敵がよろめいた瞬間、ラカンは剣を引き抜いて反対側の槍兵を斬った。

「七人だ!」

カン・ムジンが叫ぶと、ラカンは倒れた敵を越えた。

「こっちは二人!」

「西に三人。後ろに二人」

「隊長は?」

「動きません」

その言葉を聞いたラカンの耳が後ろへ伏せるのが見えた。曲刀を帯びた者が指揮官だという判断は同じだった。

西へ広がっていた三人が堡塁の方へ走ると、カン・ムジンは方向を変えた。

彼らが狙っているのは炉ではなく天幕だった。金物を隠したまま移動する仕方も、引いてきた網も目的を物語っていた。

偵察隊は堡塁の人数を数えに来ただけではなかった。

捕らえられるなら捕らえていくつもりだった。

カン・ムジンの歩みが遅くなった。

感情が熱くなるほど手は冷たくならねばならなかった。火の前で急いだ鉄は内に罅が入るし、戦場も変わらなかった。

彼は一度息を吐いた。

「ラカン」

「逃さない」

ラカンが先に指揮官の方へ身を躍らせる間、カン・ムジンは西の斜面を横切った。

闇の中から短い槍が一本飛んできた。真っ直ぐな投擲ではなく、風に押されることを計算して右へ少し外して投げた槍だった。

カン・ムジンは剣を立てた。

穂先が触れる直前、鉄の筋目を押すと鋭い音が弾けた。

キィン。

槍先が剣身に沿って滑った。力を正面から受けなかったおかげで手首には鈍い衝撃だけが残り、飛んできた槍はカン・ムジンの肩を過ぎて後ろの土に突き刺さった。

その間に敵二人が分かれた。

一人はカン・ムジンを阻み、残りは天幕へ向かった。

「ドリア!」

「見ておるわ!」

炉の前で火の光が閃いたかと思うと、ドリアが長柄の大槌を振り回した。普段は鉄塊を運ぶときに使う槌だったが、ドワーフの腕の中で回ると人の頭ほどの岩の塊のように見えた。

天幕へ躍りかかっていた魔族が盾を掲げた。

槌が盾の真ん中に落ちて鈍い音を立て、鉄枠のひしゃげた盾もろとも、魔族も足を踏みこたえられず横へ転がった。

「ふんっ! 他人の炉に靴を履いたまま入る奴は、まず手首を差し出すのが道理だ!」

「ここは炉の外です」

「わしの火の光が届くところまでが炉だ!」

ドリアは倒れた敵の槍を踏んで折ると、槌の柄を短く握って二撃目を防いだ。

カン・ムジンの前の魔族が短剣を抜くと、革の頭巾の下から灰色の肌とねじれた角が現れた。相手はカン・ムジンの剣が良くないと見抜いたらしく、刃こぼれした刃と古びた柄を視線で撫でた。

その判断は間違っていなかった。

ただ、剣だけを見た。

魔族が低く踏み込みながらカン・ムジンの太腿を狙って短剣を突き出した。カン・ムジンは半歩後ろへ退きながら手首を押さえつけるように斬り、魔族は短剣を立てて防いだ。

二つの刃が触れ合った。

カン・ムジンはその瞬間、相手の短剣の状態を読んだ。表面は黒く酸化していたが芯には炭素が偏りすぎていて、硬い代わりに衝撃に耐えられない鉄であり、刃の中ほどにはすでに細い亀裂が三筋も入っていた。

彼は剣をねじって亀裂の入った箇所を正確に押した。

短剣が三つに砕けると魔族の目が見開かれた。

カン・ムジンは柄頭で顎を打ち上げた。相手がのけぞる間に足首を掛けて倒し、剣を喉の下に突き立てた。

短く終わらせた。

血を払う時間はなかった。

カン・ムジンが顔を上げたとき、東の丘で弓弦の音がした。

一度。

短い間を置いて二度。

シルヴァナの矢は松明の外で動いていた魔族の太腿と肩に突き刺さった。殺すよりも足を止める射撃だったので、敵は悲鳴を飲み込みながら膝をついた。

シルヴァナが弓を握ったまま丘の下へ降りてきて、その後ろには天幕から出てきた避難民が三人立っていた。鎌と薪割り用の斧を手にしていたが、近くまでは来られなかった。

「西の三人はすべて見えています」

「一人残っています」

カン・ムジンが答えた。

最も後方で網を引いていた者だった。

その金属が地面から持ち上がるのを感じたカン・ムジンは即座に身を翻した。

鉄釘がびっしり打ち込まれた網が宙で広がった。ドリアとシルヴァナ、天幕の前の避難民たちまで一度に覆うほど広く、縁ごとに付けられた鉛の錘が円を描いて飛んできた。

「伏せてください!」

人々が身を低くすると、カン・ムジンは剣を手放した。

両手を広げると網の縁の金属が指先を引っ張った。鉄釘だけで数十本もあり、それぞれを別々に動かす余裕はなかったので、彼は網を一つの物として感じ取ろうとした。

問題は鉛の錘だった。鉄と性質が違う上に軟らかく重かった。同じ力で掴めば鉄釘だけが止まり、網は慣性に引かれて飛び続けるはずだった。

カン・ムジンは最も近い鉄釘六本を選んだ。

上を防がなかった。

下へ引いた。

広がりかけていた網が途中で折れ、前の縁が地面に突き刺さり、後ろがその上へ折り重なって錘同士がぶつかり鈍い音を立てた。

網を投げた魔族は綱を放して逃げた。

「シルヴァナ」

カン・ムジンが呼ぶ前に弓弦が鳴った。

矢がふくらはぎに突き刺さると、魔族は二歩ほど走ってから前のめりに倒れた。

シルヴァナは次の矢をつがえたまま言った。

「生かしておく必要がありますか」

カン・ムジンは北を見た。

ラカンの剣と曲刀が速くぶつかり合っていた。

「先に終わらせます」

指揮官の曲刀は他の武器よりましだった。刃幅は広かったが不必要に厚くはなく、反りの角度も鎧の隙間に食い込みやすかった。ラカンの剣と六度もぶつかったせいで金属の温度は急速に上がっていた。

一方、ラカンの剣には問題が生じていた。

昼間に整備できなかった刃先の傷が衝撃を受けるたびに内へ広がり、あと二度強くぶつかれば折れる可能性が高かった。

「ラカン、剣を立てないでください!」

ラカンは理由を問わなかった。

魔族の指揮官の曲刀が振り下ろされると、ラカンは剣を寝かせて受け流した。火花が斜めに散り、曲刀が地面をかすめた瞬間、ラカンは肘で相手のこめかみを殴りつけた。

指揮官がよろめきながら後ろへ退いた。

カン・ムジンが近づくと、奴は即座に距離を取った。曲刀の先がラカンとカン・ムジンの間を行き来する間も、後ろへ逃げる道を探る目は落ち着いていた。

カン・ムジンは剣を拾わなかった。

代わりに地面へ突き刺さっていた短い槍を引き寄せると、土が跳ねて槍が手の中へ飛んできた。

魔族の指揮官の目が初めて揺れた。

「術士か」

大陸共通語だった。発音は硬かったが聞き取ることはできた。

カン・ムジンは槍の均衡を確かめた。茎が短く、荒く振り回せば穂先が抜ける構造だった。

「鍛冶師です」

「その違いは回収した後に分類する」

奴は最後まで人を物のように言った。

指揮官が腰から小さな角笛を取り出すと、カン・ムジンは指を曲げた。

角笛の縁に巻かれた鉄環が横へ弾かれ、笛が口に触れる前に奴の手首が返った。信号音の代わりに荒い息だけが漏れた。

ラカンが飛び込んだ。

曲刀と剣が再び触れ合ったが、今度はラカンは刃を立てなかった。平らな面で曲刀を押しのけながら身を寄せると、魔族の指揮官が膝を上げた。ラカンは脇腹でそのまま受け止めた。

鈍い衝撃音がした。

ラカンの口から息が漏れたが、彼は退かずに左手で奴の曲刀の柄をねじり掴んだ。

「鍛冶師!」

カン・ムジンは槍を突いた。

穂先が指揮官の胸鎧に触れた。薄い鉄板を何枚も革紐で綴じた鎧なので隙間は狭く、正面から貫こうとすれば槍の方が先に壊れるはずだった。

カン・ムジンは鉄板を押した。

中央の板と右の板の間が指一節ほど開くと、その隙間から穂先が入った。

魔族の指揮官の体が強張り、曲刀が手から落ちた。

ラカンは奴を押しのけて一歩下がった。荒い息の間から牙がのぞいた。

カン・ムジンが槍を引き抜くと指揮官は膝をついた。手は傷口を押さえようとしたが、まともに上がらなかった。

「ここの人数と防備を確認した者が他にもいますか」

奴がカン・ムジンを見上げた。

「すでに……観測された」

「誰に」

口の端から黒い血が流れたが、奴は笑わなかった。自分が死ぬ瞬間まで損失を計算している顔だった。

「火は遠くからでも見える」

それが最後の言葉だった。

体が前のめりに倒れた後も、ラカンは剣を手にしたまましばらく動かなかった。カン・ムジンはまず彼の脇腹を見たが、服は裂けていたものの血はわずかしか出ていなかった。

「肋骨は?」

「無事だ」

「打たれた側で息をしてみてください」

ラカンが顔をしかめながら息を吸い込んだ。

「痛いことは痛いな」

「罅は入っているかもしれません」

「死にはしない」

「死ぬかとは訊いていません」

ラカンは言い返さずに剣を見下ろし、カン・ムジンもその視線を追った。刃先から始まった亀裂は剣身の三分の一まで広がっていた。

「あと二度受けていたら折れていました」

「だから受けなかっただろ」

「明日直します」

「もっと良いやつでな」

「まず鉄を探してください」

ラカンが短く鼻で笑った。いつもと同じ音だった。

堡塁の方ではローゼンが人々を統制していた。ドリアは負傷した魔族の武器を足で蹴って遠くへ払いのけ、シルヴァナは倒れた者たちの脈を確かめた。

七人のうち生きている者はいなかった。

矢を受けて倒れた二人は息があったが、一人は懐の毒を飲み、もう一人はドリアに制圧される過程で最後まで短剣を手放さなかった。

カン・ムジンは彼らの装備を一か所に集めた。

曲刀一振り。

短い槍三本。

短剣四本。

鉄釘の打たれた捕獲用の網。

黒い鉄環の巻かれた角笛。

鉄は嘘をつかなかった。

槍の穂先には古い血の跡が幾重にも染み込んでおり、曲刀の峰には一定の間隔で小さな刻みが入れられていた。戦功を示したものなのか、捕らえていった人の数を数えたものなのかはわからなかった。

網の鉄釘の先には返しがついていた。覆われた者がもがくほど肉と服に深く食い込むように作られた構造だった。

カン・ムジンが網の片側を持ち上げると、避難民たちの間から息を飲む音がした。

一人の獣人の女が子どもを背に庇ったが、その二の腕には古い縄の跡が残っていた。ハモンは修理した鍬を両手で握ったまま何も言わなかった。

アイシャが炉の後ろから出てきた。

ローゼンが止めようとしたが、子どもは網の前で足を止めた。鉄釘をしばらく見つめていたアイシャが袖の中へ手を隠した。

カン・ムジンは網を畳んだ。

「ドリア」

「なんで呼ぶ」

「釘を全部抜いて溶かします」

ドリアの太い眉がぴくりと動いた。

「鉄がひどいもんだぞ」

「釘としてなら使えます」

「どこに打つつもりだ?」

カン・ムジンは防壁が置かれる場所を見た。

昼間に石を積み始めた痕跡が闇の中へ長く続いていたが、高さは膝にも届かなかった。北西の斜面は完全に開いており、西には壊れた荷車一台が道を塞いでいるだけだった。

「門と防柵に使います」

ドリアが髭を一度撫でた。

「捕らえに来た道具で防ぐと?」

「鉄の用途は使う者が決めます」

「鉄の味を知っておるな」

ドリアは網を肩に担いで炉へ歩いていった。

緊張が少し解けると人々の息遣いが大きくなった。誰かはへたり込み、誰かは遅れて手の震えを隠そうと武器を下ろした。

ローゼンは負傷者を確認した後、カン・ムジンに近づいた。

「こちらの死者はいません。足首を挫いた者が一人、ドリア殿の槌に弾かれた盾の破片で腕を怪我した者が一人です」

「敵が狙ったのは天幕でした」

「ええ。警戒をかいくぐられていたら、人を攫った後に火を放っていた可能性が高いです」

ローゼンは開かれた斜面を見回した。顔には疲労が濃かったが、言葉は乱れなかった。

「選択肢は二つです。明日から住居の作業を止めて防壁に人員を集中させるか、住居と防壁を同時に進めつつ外郭に仮の木柵を先に立てるかです」

「雨が降れば天幕は持ちません」

「二つ目の案がよいとお考えですか」

「人がもっと必要です」

「働き手はいます。戦う者が足りないだけです」

そのときラカンが近づいてきた。

足を引きずってはいなかったが、左の脇腹を押さえた腕が少し強張っていた。彼は曲刀をカン・ムジンの前に置いた。

「ああいう奴らがまた来たら、働いてる手から先に止まる」

ローゼンが頷いた。

「防壁を築く者と守る者を分けなければなりません」

ラカンは避難民たちを見た。

鍬を持ったハモン、薪割り斧を握った若者、子どもを抱えた獣人の女、血のついた布で腕を縛る男が目に入った。少し前まで彼らは、それぞれ生き延びるために火のそばへ集まった人々だった。

ラカンは首筋を掻いた。袖がまくれ上がって手首の上の古い烙印の傷痕が現れたが、彼はすぐに袖を下ろさなかった。

「若い奴らを集めてくれ」

ローゼンが尋ねた。

「どういう意味ですか」

「戦い方を教える」

「自警団を作ろうということですね」

「名前はお前がつけろ」

ラカンはカン・ムジンの方を見た。

「俺が前で全部防いでも、横から漏れれば終わりだ。今日は七人だった。次はもっと来るだろう」

カン・ムジンは答えなかった。

ラカンが借りや恩を口にしなかったことに気づいた。代わりに彼は天幕と人々を見ながら話していた。自分が救われたことを返そうという顔ではなく、すでにできたものを奪われまいとする顔だった。

「武器が足りません」

カン・ムジンが言った。

「作ればいいだろ」

ラカンが答えた。

カン・ムジンは礎石の傍らの鍬と鎌、折れた槍の柄を順に見た。良い鉄は稀で炭も乏しい上に、炉は一つきりだった。防壁に使う蝶番と釘も作らねばならなかった。

手は二つだった。

ドリアを合わせても四つだった。

「訓練する者から選んでください」

「明日、日が昇ったらな」

「いいえ」

ラカンの耳が動いた。

カン・ムジンは北西の斜面を見つめた。敵が踏んできた草は倒れ、血の匂いが風に乗っていた。死んだ偵察隊が戻らなければ、誰かが理由を確かめに来るはずだった。

火はすでに見られていた。

「今、選んでください」

ラカンはしばらくカン・ムジンを見つめてから身を翻した。

「聞いたな?」

彼の声が天幕の間に広がった。

「武器を持てる奴は礎石の前に来い。うまく戦う奴は探してない。逃げない奴から見る」

人々はすぐには動かなかった。

最初に前へ出たのは薪割り斧を持った若者だった。続いて腕を怪我した男が無事な手で槍の柄を取り、獣人の女も子どもを他の者に預けて列の末尾に立った。

ハモンは鍬を杖にして立っていたが、一歩前へ出た。

ラカンが彼を見た。

「爺さんは抜けろ」

「若い者だけで壁が建つか」

「まず腰を伸ばしてから言え」

「お前の肋骨よりわしの腰の方が無事だろうよ」

ラカンが口をつぐんだ。

カン・ムジンは炉の方へ体を向けた。

ドリアがすでに熾火を起こしていて、畳んでおいた網の上に橙色の光が広がっていた。シルヴァナは丘に立って北の森を見張っていたが、弓を握った手は静かでも、視線は倒れた魔族たちの装備から長く離れなかった。

カン・ムジンはそれを見た。

その網が誰を捕らえるために作られたものか、シルヴァナも知っているはずだった。

夜明けにはまだ遠かった。

しかし鋼鉄堡塁では、誰も再び横にならなかった。

一方では自警団になる者たちが列を作り、もう一方では防壁に打つ釘を作るために捕獲用の網が切り取られていった。ローゼンは板に書かれた『警戒』の下へ名前を書き写した。

カン・ムジンは炉の前に座り、最初の鉄釘を取った。

金属にはまだ、人を縛りつけていた曲がりが残っていた。

彼は熱した鉄を金床に置いた。

槌が下りた。

一度。

曲がった部分が伸びた。

二度。

返しが潰れた。

三度目の槌の音が響いたとき、東の丘の上のシルヴァナが顔を上げた。

その視線は、遠く森のある方角へ向けられていた。

この話の終わり 14

ReNovels · 一話ずつ、物語の中へ。

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